- 最終更新日: 2024.07.08
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【管理栄養士監修】BBQ&キャンプで気をつけたい食中毒の原因菌とその症状、注意点とは?
こんにちは!Bavi編集部です。
今回は、バーベキュー(BBQ)、キャンプで特に気をつけたい食中毒の原因菌、注意点についてお届けします。
これからどんどん暑くなってきますね。
ただ、生肉や魚介類などを扱うバーベキュー、キャンプでこの時期気を付けたいのが「食中毒」。例年、全国各地で発生する食中毒のうち、バーベキュー、キャンプにおける食中毒も報告されています。(コラム内に過去の事例を掲載)
そこで、今回は厚生労働省、農林水産省等の公式サイト情報に加え、管理栄養士nono1212koさん監修のもと、バーベキュー、キャンプで特に気をつけたい原因菌と症状、注意点についてお話していきます。
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目 次
BBQ・キャンプで気をつけたい食中毒の原因菌とその症状、注意点
農林水産省によると、主な食中毒の原因菌・ウイルスは以下のとおりです。
<細菌>
・腸管出血性大腸菌(O157等)
・カンピロバクター
・腸炎ビブリオ
・サルモネラ属菌
・黄色ブドウ球菌
・ウエルシュ菌
<ウイルス>
・ノロウイルス
・A型肝炎ウイルス
・E型肝炎ウイルス
※食中毒の原因菌・ウイルス等詳しくはこちら
上記の中から、内閣府・食品安全委員会が、特にバーベキューなどアウトドアの際に注意すべきとしている6つの細菌について詳しくご紹介します。
腸管出血性大腸菌(O157等)
原因
・加熱不十分な食肉、内臓肉(主に牛だが、豚や馬も例あり)、それによって汚染された食品
・牛糞堆肥等で汚染された生食用野菜、浅漬け、水など
潜伏期間
3~8日
※10日以上の場合もあり、長いのが特徴
症状
・激しい腹痛、水様便、血便、37℃台の発熱など
・初発症状発現の数日~2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重症な合併症が発症する場合あり
バーベキュー、キャンプでの注意点
牛肉・豚肉にしっかりと火を通して食べる。生野菜のサラダを用意する場合は、野菜をきれいに洗い、生ものの汁などが野菜へ付かないように注意する。
カンピロバクター
原因
・加熱不十分な鶏肉(たたき、レバーの生食など)、この細菌が冷蔵庫や調理器具、手指等から他の食品に付くことでも起こりうる
・不十分な殺菌による井戸水や湧水
潜伏期間
2〜5日
症状
・下痢、腹痛、発熱、悪心、 嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など
・症状は他の感染型細菌性食中毒と似ているが、潜伏期間が一般に2〜5日間とやや長いことが特徴
・下痢は1日10回以上に及ぶこともあり、重症例では脱水症状を呈する
バーベキュー、キャンプでの注意点
鶏肉・鶏のレバーはしっかりと火を通して食べる。また、ペット同伴の場合は、ペットと遊んだら手洗いを徹底し、ペットが食品や食器に触れないようにする。
腸炎ビブリオ
原因
・生で食べる魚介類(すし、さしみ(貝類を含む)など)
・生魚に触った手指やまな板などから、この細菌が他の食品に付くことでも起こりうる(一夜漬け、魚介加工品など)
潜伏期間
6〜24時間
症状
・堪え難い腹痛、水様性や粘液性の下痢、まれに血便、発熱、嘔吐、吐き気など
・高齢者では低血圧や心電図異常などがみられることもあり、死亡例あり
バーベキュー、キャンプでの注意点
魚介類は流水でしっかり洗うこと。十分な加熱により菌は死滅するので、生焼けに注意!大量調理時には特に加熱不十分とならないよう気を付ける。
サルモネラ属菌
原因
・卵とその加工品、鶏肉、牛肉、豚肉、内臓肉
・スッポンやウナギ等の淡水養殖魚介など
潜伏期間
8~48時間
症状
・悪心・嘔吐で始まり、数時間後に腹痛・下痢
・下痢は1日数回から十数回が3〜4日持続、1週間以上に及ぶこともあり
・小児では意識障害、痙攣、菌血症、高齢者では急性脱水症、菌血症を起こすなど重症化しやすく回復が遅れる傾向あり
バーベキュー、キャンプでの注意点
加熱不足の卵・肉・魚料理などが原因になりやすいため、生卵・オムレツ・自家製マヨネーズ・洋生菓子など持参する場合は注意する。卵はクーラーボックスで保存し、割ったらすぐに使い切ること。
黄色ブドウ球菌
原因
・調理する人の手指から、この細菌が食品に付くことが原因になることが多い
・手指を使用して作るおにぎり、サンドイッチ、弁当、和洋生菓子など
潜伏期間
約3時間
症状
・激しい嘔気・嘔吐、疝痛性腹痛、下痢を伴う急激な急性胃腸炎症状
・まれに発熱やショック症状を伴う
・重症例では入院を要するが、一般に予後良好で死亡することはほとんどなく、通常1日か2日間で治る
バーベキュー、キャンプでの注意点
おにぎりは、十分に手を洗って、手袋やラップを使用して握ること。また、髪の毛やツバが入らないよう気を付ける。黄色ブドウ球菌が作る毒素は熱に強く、一度毒素ができてしまうと加熱しても食中毒は防げないので注意!
ウエルシュ菌
原因
・菌自体は大腸内常在菌で広く分布する。
・加熱調理後、そのまま放置することで55℃ぐらいから急速に増殖する。
・カレー、シチュー、パーティ等での複合調理食品
潜伏期間
6〜8時間
症状
・主に腹痛と下痢
・発熱、嘔吐はほぼない
・通常1日か2日間で治る
バーベキュー、キャンプでの注意点
「大量調理」と「室温放置」をしないこと。再加熱しても死なないため、一度調理したものは急冷保存する。一晩放置したカレーは翌朝以降食べない。
BBQ・キャンプでの食中毒事例
最後に、実際に起きた食中毒の事例をご紹介いたします。毎年起きるバーベキューやキャンプでの食中毒。皆さんは事前に防いでくださいね!
事例1)下痢原性大腸菌(キャンプ場の湧き水)による食中毒
2005年7月18日~20日、大分県内でキャンプに参加した福岡市内の高校生393名と教職員16名のうち、生徒174名と教職員2名に、水様性下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの食中毒症状が出た。疫学調査の結果、キャンプ場の湧き水を感染源とする下痢原性大腸菌による食中毒と判断され、湧き水は水質管理が適正ではなかったことが判明した。また、生徒は飲用不可と知りながら安易に飲用してしまっていた。
参考:国立感染症研究所HP
事例2)カンピロバクターによる食中毒
2008年5月、大阪府内の中学校が野外活動センターで校外学習の一環として行ったバーベキューで、カンピロバクター食中毒が発生。原因食品は不明だが、バーベキュー時の加熱不足が原因と推察された。生徒198名と教職員10名のうち、生徒110名が食中毒症状を呈した大規模な集団食中毒事件となった。
参考:国立感染症研究所HP
事例3)腸管出血性大腸菌O111による食中毒
2020年ごろ、群馬県のキャンプ場に訪れていた一家。帰宅して数日後に腸管出血性大腸菌O111食中毒が発生。冷凍肉の保管方法が原因と推察された。軟便や腹痛の症状が見られた。(3名中1名入院)
参考:毎日新聞
事例4)ウエルシュ菌による食中毒
2023年1月、民宿でカレーを食べた12人がウエルシュ菌食中毒を発生。症状は不明。一晩たったカレーが原因と推察。
参考:TBS NEWS DIG
BBQ・キャンプで気をつけたい食中毒の原因菌とその症状、注意点まとめ
★腸管出血性大腸菌(O157等)
★カンピロバクター
★腸炎ビブリオ
★サルモネラ属菌
★黄色ブドウ球菌
★ウエルシュ菌
今回は、BBQ・キャンプで注意したい食中毒の原因菌とその症状、注意点についてお届けしました。いかがでしたか?
ほとんどが「生」であることが影響していますが、加熱しても殺菌できない「ウエルシュ菌」には特に注意が必要です。
いずれにしても、嘔吐や下痢の苦しい症状が伴います。毎年ニュースを賑わせる食中毒。皆さんは今年発生させないように、原因と症状、注意点を知り、事前に対策しましょう!
▼食中毒対策についてもっと詳しく知りたい方はこちら▼
参考情報
・農林水産省
食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑
・国立感染症研究所HP
食中毒と腸管感染症
2006年1月~2009年8月に大阪府で発生したCampylobacter 食中毒事件
キャンプ場の湧き水を原因とした下痢原性大腸菌による食中毒事例-福岡市、大分県
・おだぎ内視鏡・消化器内科
・内閣府・食品安全委員会HP
・公益社団法人日本食品衛生協会HP
・毎日新聞
・TBS NEWS DIG
Baviアンバサダー紹介
管理栄養士nono1212ko
食に関わる職歴は15年以上。栄養士として10年以上、2020年から管理栄養士として勤務。調理師免許、栄養教諭、食育インストラクター等、数々の資格・経験を持つ栄養のスペシャリスト。Baviアンバサダーとして、専門知識を活かしたアドバイスをお届けします。
チームBaviはバーベキューのプロ集団。10年以上続く出張BBQサービスの経験を活かして、信頼できる情報をお届けします! 出張BBQのご用命はコチラ▶▶▶【Bavi(手軽にBBQ.com)】https://www.gpc-bbq.com/