【管理栄養士監修】食中毒対策まとめ|安全なBBQ&キャンプを!原因・症状・対策まで【アドバイス】 | 日本最大級のバーベキュー場プラットフォーム Bavi

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  • 最終更新日最終更新日: 2024.06.19
  • コラムカテゴリー アドバイス

【管理栄養士監修】食中毒対策まとめ|安全なBBQ&キャンプを!原因・症状・対策まで

こんにちは!Bavi編集部です。
今回は、バーベキュー(BBQ)、キャンプの食中毒対策についてお届けします。

夏休みを控え、絶好のアウトドアシーズンが到来しました!楽しいイベントを計画中の方も多いのではないでしょうか?

ただ、生肉や魚介類などを扱うバーベキュー、キャンプでこの時期気を付けたいのが「食中毒」です。例年、全国各地で発生する食中毒のうち、バーベキュー、キャンプにおける食中毒も報告されています。(コラム内に過去の事例を掲載)

そこで、今回は厚生労働省、農林水産省等の公式サイト情報に加え、管理栄養士nono1212koさん監修のもと、近年の食中毒発生状況から原因菌、バーベキュー、キャンプでの食中毒対策のポイントまでお話していきます。

本コラムを読んで、食中毒対策を徹底し、安全で楽しく美味しいアウトドアライフを♪

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目 次

国内の食中毒発生状況(令和3年〜令和5年)

厚生労働省,”薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会配付資料 資料1令和5年食中毒発生状況(概要版)”,厚生労働省HP,R6.2.22,https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001213031.pdf,(R6.4.25)

上のグラフを見ると、食中毒事件数は毎年1000件前後で推移しています。患者数は年々減少傾向にあるものの、昨年(令和5年)は一昨年(令和4年)に比べて2倍近い約12000人もの人が食中毒に罹患しています。また、直近3年間は毎年食中毒による死者が出ていることも分かります。

厚生労働省,”薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会配付資料 資料1令和5年食中毒発生状況(概要版)”,厚生労働省HP,R6.2.22,https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001213031.pdf,(R6.4.25)

続いてのグラフによると、食中毒の原因物質は多岐にわたり、寄生虫、細菌、ウイルスによる食中毒が多数を占めています。そしてなにより、暖かい時期だけでなく、食中毒は1年を通して起こる危険性があるということが分かりますね。

食中毒警報とは

1年を通じて発生する食中毒ですが、食中毒予防の注意喚起として、特に食中毒が発生しやすい夏季を中心に一部自治体が発令するのが食中毒警報です。(北海道、神奈川県、千葉県、愛知県など一部自治体のみ)

気温や湿度の高さなど一定の気象条件の場合に発令されますが、各自治体ごとに発令基準は異なるので、今回は北海道を事例にご紹介します。

例:食中毒警報の発令基準(北海道)

1.日最高気温28℃以上が予想される場合
2.前2日間のそれぞれの日最低気温が20℃以上で、かつ、湿度が85%以上の場合
3.前2日間のそれぞれの日平均気温が23℃以上で、かつ、湿度が85%以上の場合
4.その他保健所長が特に必要と認める場合

北海道.”食中毒警報発令状況”.北海道HP.2022.5.25.https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kse/sho/tyu/hat/113821.html,(2024.5.2)

近年は春や秋でも夏日(25℃以上)や真夏日(30℃以上)となる日が多く、夏季以外も注意が必要です。また、前述した通り、食中毒は夏季のみでなく、冬季にも発生します。北海道札幌市や神奈川県など、冬季にノロウイルス食中毒警報や注意報を発令する自治体もあります。

BBQ・キャンプでの食中毒対策のポイント(原因別)

農林水産省によると、主な食中毒の原因細菌・ウイルスは以下のとおりです。

<細菌>
・腸管出血性大腸菌(O157等)
・カンピロバクター
・腸炎ビブリオ
・サルモネラ属菌
・黄色ブドウ球菌
・ウエルシュ菌
<ウイルス>
・ノロウイルス
・A型肝炎ウイルス
・E型肝炎ウイルス

※食中毒の原因細菌・ウイルス等詳しくはこちら

上記の中から、内閣府・食品安全委員会が、特にバーベキューなどアウトドアの際に注意すべきとしている6つの細菌について詳しくご紹介します。

腸管出血性大腸菌(O157等)

原因

・加熱不十分な食肉、内臓肉(主に牛だが、豚や馬も例あり)、それによって汚染された食品
・牛糞堆肥等で汚染された生食用野菜、浅漬け、水など

潜伏期間

3~8日
※10日以上の場合もあり、長いのが特徴

症状

・激しい腹痛、水様便、血便、37℃台の発熱など
・初発症状発現の数日~2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重症な合併症が発症する場合あり

バーベキュー、キャンプでの注意点

牛肉・豚肉にしっかりと火を通して食べる。生野菜のサラダを用意する場合は、野菜をきれいに洗い、生ものの汁などが野菜へ付かないように注意する。

カンピロバクター

原因

・加熱不十分な鶏肉(たたき、レバーの生食など)、この細菌が冷蔵庫や調理器具、手指等から他の食品に付くことでも起こりうる
・不十分な殺菌による井戸水や湧水

潜伏期間

2〜5日

症状

・下痢、腹痛、発熱、悪心、 嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など
・症状は他の感染型細菌性食中毒と似ているが、潜伏期間が一般に2〜5日間とやや長いことが特徴
・下痢は1日10回以上に及ぶこともあり、重症例では脱水症状を呈する

バーベキュー、キャンプでの注意点

鶏肉・鶏のレバーはしっかりと火を通して食べる。また、ペット同伴の場合は、ペットと遊んだら手洗いを徹底し、ペットが食品や食器に触れないようにする。

腸炎ビブリオ

原因

・生で食べる魚介類(すし、さしみ(貝類を含む)など)
・生魚に触った手指やまな板などから、この細菌が他の食品に付くことでも起こりうる(一夜漬け、魚介加工品など)

潜伏期間

6〜24時間

症状

・堪え難い腹痛、水様性や粘液性の下痢、まれに血便、発熱、嘔吐、吐き気など
・高齢者では低血圧や心電図異常などがみられることもあり、死亡例あり

バーベキュー、キャンプでの注意点

魚介類は流水でしっかり洗うこと。十分な加熱により菌は死滅するので、生焼けに注意!大量調理時には特に加熱不十分とならないよう気を付ける。

サルモネラ属菌

原因

・卵とその加工品、鶏肉、牛肉、豚肉、内臓肉
・スッポンやウナギ等の淡水養殖魚介など

潜伏期間

8~48時間

症状

・悪心・嘔吐で始まり、数時間後に腹痛・下痢
・下痢は1日数回から十数回が3〜4日持続、1週間以上に及ぶこともあり
・小児では意識障害、痙攣、菌血症、高齢者では急性脱水症、菌血症を起こすなど重症化しやすく回復が遅れる傾向あり

バーベキュー、キャンプでの注意点

加熱不足の卵・肉・魚料理などが原因になりやすいため、生卵・オムレツ・自家製マヨネーズ・洋生菓子など持参する場合は注意する。卵はクーラーボックスで保存し、割ったらすぐに使い切ること。

黄色ブドウ球菌

原因

・調理する人の手指から、この細菌が食品に付くことが原因になることが多い
・手指を使用して作るおにぎり、サンドイッチ、弁当、和洋生菓子など

潜伏期間

約3時間

症状

・激しい嘔気・嘔吐、疝痛性腹痛、下痢を伴う急激な急性胃腸炎症状
・まれに発熱やショック症状を伴う
・重症例では入院を要するが、一般に予後良好で死亡することはほとんどなく、通常1日か2日間で治る

バーベキュー、キャンプでの注意点

おにぎりは、十分に手を洗って、手袋やラップを使用して握ること。また、髪の毛やツバが入らないよう気を付ける。黄色ブドウ球菌が作る毒素は熱に強く、一度毒素ができてしまうと加熱しても食中毒は防げないので注意!

ウエルシュ菌

原因

・菌自体は大腸内常在菌で広く分布する。
・加熱調理後、そのまま放置することで55℃ぐらいから急速に増殖する。
・カレー、シチュー、パーティ等での複合調理食品

潜伏期間

6〜8時間

症状

・主に腹痛と下痢
・発熱、嘔吐はほぼない
・通常1日か2日間で治る

バーベキュー、キャンプでの注意点

「大量調理」と「室温放置」をしないこと。再加熱しても死なないため、一度調理したものは急冷保存する。一晩放置したカレーは翌朝以降食べない。

BBQ・キャンプでの食中毒対策のポイント(場面別)

先ほどは、バーベキューやキャンプでの注意点を原因別にご紹介しました。ここからは、その対策についてより詳しくご紹介します。まずは、厚生労働省が掲げる食中毒対策の基本をおさえましょう。

食中毒対策の3原則

1.付けない
2.増やさない
3.やっつける

食中毒は原因となる細菌やウイルスが食品に付着し、体内へ侵入することで発生します。厚生労働省では、細菌を食品に「付けない」、食品に付着した細菌を「増やさない」、食品や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という食中毒対策の3原則を掲げています。

この原則を踏まえた上で、厚生労働省、農林水産省HP、管理栄養士nono1212koさんからのアドバイスを参考に、バーベキュー、キャンプの食中毒対策を場面別にお伝えします。

BBQ場、キャンプ場への食材運搬時

・生肉や生魚はそれぞれ別の袋に入れ、汁漏れがないようにする
・生肉や生魚は他の食品(特に生野菜など)とくっつかないようにする
・冷蔵品はクーラーボックスに入れ、保冷剤で十分に冷やす
※凍らせることができる食品は凍らせておく(保冷剤代わりになる)
※保冷剤は食材の上下に。大きい保冷剤、長時間タイプのものを上に設置する
・クーラーボックスは保冷力が高いものを使用し、涼しい場所に置く

下準備時

・しっかり手を洗い、食中毒菌をつけないようにする
※水道がない会場ではウェットティッシュで手をふくか、ウォータージャグに水を入れて持参する
※ハンドソープと消毒、手拭きタオルは常に持参する
※正しい手洗い方法動画はこちら
・手にけがをしている場合(絆創膏をしていても)使い捨て手袋を着ける
※けがをしていないくても手袋使用推奨
・食材を切る時は、加熱する食品と加熱せず食べる食品に分け、別々の包丁やまな板を使う
※分けるのが難しい場合は、加熱せず食べる食品を先に切る
※開いた牛乳パックをまな板代わりにすると便利

調理時

・調理前にも十分に手を洗う
・飲料水や調理に使う水は、水道水や飲用が認められている水を使う(川や沢の水は使わない)
・生肉は中心まで十分に加熱する
※目安は中心部分の温度が75℃で1分間以上
※肉の色がしっかり変わるまで、もしくは、肉汁が透明になるまで
※E型肝炎ウイルスや寄生虫で肉内部まで汚染されている場合がある豚肉(内臓、レバーなど含む)、ジビエ(シカ肉、イノシシ肉など)は、特に中心部まで十分に加熱する
※夜に調理する場合は、明るい場所でしっかり色味を確認する
・食品は焦がし過ぎに注意
・生ものを扱ったトングや箸は他のものに触れないように区別する

食事時

・清潔な手、箸、皿で食べる
・生ものを扱ったトングや箸では焼きあがった肉やサラダなどを食べない
※トングは分ける
・長時間室温で放置された食品を食べない
・夏場は生物を避ける

BBQ、キャンプ終了後

・残ってしまった食品はもったいなくても捨てる
・生もののゴミ処理に気を付ける
・調理後2時間以内喫食推奨
※大量調理施設衛生マニュアルより

BBQ・キャンプでの食中毒事例

最後に、実際に起きた食中毒の事例をご紹介いたします。毎年起きるバーベキューやキャンプでの食中毒。皆さんは事前に防いでくださいね!

事例1)下痢原性大腸菌(キャンプ場の湧き水)による食中毒

2005年7月18日~20日、大分県内でキャンプに参加した福岡市内の高校生393名と教職員16名のうち、生徒174名と教職員2名に、水様性下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの食中毒症状が出た。疫学調査の結果、キャンプ場の湧き水を感染源とする下痢原性大腸菌による食中毒と判断され、湧き水は水質管理が適正ではなかったことが判明した。また、生徒は飲用不可と知りながら安易に飲用してしまっていた

参考:国立感染症研究所HP

事例2)カンピロバクターによる食中毒

2008年5月、大阪府内の中学校が野外活動センターで校外学習の一環として行ったバーベキューで、カンピロバクター食中毒が発生。原因食品は不明だが、バーベキュー時の加熱不足が原因と推察された。生徒198名と教職員10名のうち、生徒110名が食中毒症状を呈した大規模な集団食中毒事件となった。

参考:国立感染症研究所HP

事例3)腸管出血性大腸菌O157による食中毒

2008年9月、福岡市近郊のキャンプ場で開かれた会社主催のバーベキュー大会で、腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生。加熱不十分な食肉類の喫食が原因と推察された。参加者46名中19名から原因菌が検出され、うち5名に腹痛、下痢、発熱などの症状が見られた。

参考:福岡市HP

事例4)腸管出血性大腸菌O111による食中毒

2020年ごろ、群馬県のキャンプ場に訪れていた一家。帰宅して数日後に腸管出血性大腸菌O111食中毒が発生。冷凍肉の保管方法が原因と推察された。軟便や腹痛の症状が見られた。(3名中1名入院)

参考:毎日新聞

事例5)ウエルシュ菌による食中毒

2023年1月、民宿でカレーを食べた12人がウエルシュ菌食中毒を発生。症状は不明。一晩たったカレーが原因と推察。

参考:TBS NEWS DIG

BBQ・キャンプでの食中毒対策|まとめ

今回は、バーベキュー、キャンプでの食中毒対策についてお届けしました。いかがでしたか?

★食中毒対策の3原則

1.付けない
2.増やさない
3.やっつける

★バーベキュー、キャンプの食中毒対策

・適切な食品管理(袋詰め、冷蔵保存など)
・十分な手洗い、手袋使用
・調理用と食事用でトング、箸、皿などは必ず分ける
・肉や魚介類は十分加熱する(中心部が75℃で1分間以上)
・食材は食べ切るか、余ったものは捨てる

過去の食中毒事例からみて大事なのは、肉を生焼けで食べないこと!これは必ず守りましょうね。

また、バーベキュー、キャンプでは冷蔵庫がなかったり、水道がなかったりと、日常とは違うアウトドア環境で楽しむことも多いと思います。ぜひご紹介した食中毒対策を実践して、暖かい時期だけでなく年間を通して、安全にアウトドアを行ってくださいね。

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参考情報

・国立感染症研究所HP
食中毒と腸管感染症
2006年1月~2009年8月に大阪府で発生したCampylobacter 食中毒事件
キャンプ場の湧き水を原因とした下痢原性大腸菌による食中毒事例-福岡市、大分県
・農林水産省HP
バーベキューを楽しむ皆様へ
キャンプ場での調理やバーベキューを安全に楽しむために
食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑
・厚生労働省HP
飲食チェーン店での腸管出血性大腸菌食中毒の発生について
食中毒
おだぎ内視鏡・消化器内科
内閣府・食品安全委員会HP
公益社団法人日本食品衛生協会HP
北海道HP
福岡市HP
毎日新聞
TBS NEWS DIG

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管理栄養士nono1212ko


食に関わる職歴は15年以上。栄養士として10年以上、2020年から管理栄養士として勤務。調理師免許、栄養教諭、食育インストラクター等、数々の資格・経験を持つ栄養のスペシャリスト。Baviアンバサダーとして、専門知識を活かしたアドバイスをお届けします。


Bavi編集部

チームBaviはバーベキューのプロ集団。10年以上続く出張BBQサービスの経験を活かして、信頼できる情報をお届けします! 出張BBQのご用命はコチラ▶▶▶【Bavi(手軽にBBQ.com)】https://www.gpc-bbq.com/

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