- 最終更新日: 2024.08.14
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時短!簡単!【包丁の研ぎ方】<BBQレンタル屋精肉職人監修>※動画あり
こんにちは!Bavi編集部です。
今回はBBQ(バーベキュー)の食材準備で使える、包丁の研ぎ方についてお届けします。
突然ですが、皆さん包丁研いでいますか〜?
自宅で包丁を研いでいる方、包丁研ぎを専門店に依頼している方…色々でしょう。恥ずかしながら、私はシャープナーや皿の裏を使用して包丁を研いでいるズボラ主婦です。笑
それにしても、なぜ今回、「包丁の研ぎ方」についてお届けしているかと言うと・・・実はBavi精肉職人〔土屋〕はそこまでこだわって刃物店で修行した経歴があるからです。
精肉の取り扱いだけでなく、その切り方、さらには道具にまで魂を込める。それが精肉職人〔土屋〕です。
皆さんにも「切れ味の良い包丁」ぜひ体感してほしい。
「めんどくさい」はちょっと置いておいて、サクッと読んでみてください。思ったより包丁研ぎのハードル下がりますよ!
包丁研ぎの良さとは?
切れる包丁で味が変わる
スパッと切れる包丁は形状が美しいだけでなく、「食材の雑味や苦み」を出さないと言います。肉や魚においては、生臭さを抑えることもできます。(土屋談)
実際に貝印株式会社の実験データがこちらです。
購入から4ヶ月の包丁で比較した場合、まぐろの旨味は0.28ポイント減少し、苦みが0.15ポイント増加。ピーマンの苦みは0.25ポイント増加し、酸味は0.09ポイント増加。トマトの旨味は0.12ポイント減少し、甘みは0.11ポイント減少しています。
包丁を長持ちさせることができる
メンテナンスをしていない場合、鋼の包丁ではサビが発生する可能性があります。正しい包丁研ぎを行っていないと、当然摩耗し、切れ味が悪くなるどころか、刃欠け、刃こぼれの原因にも繋がってしまいます。
包丁の質を上げることができる
100円の包丁でも、正しい包丁研ぎ(形づくり)を行うとより切れるようになるそうです。新品で購入した包丁は実は「最高に良い状態」ではないそうで、こだわりがある人ほど、研いで自分に合った形をつくってから、使い始めると言います。(土屋談)
いかにこの「形づくり」が重要か、わかりますね。
メンテナンスの時間短縮
流石に切れない包丁のままで調理することは少ないまでも、手軽なシャープナーでササッと済ませる方も多いのではないでしょうか?(筆者もそうですが・・)
しかしながら、すぐに切れなくなりますよね。体感としては1ヵ月に1度は行っている気がします。
後述しますが、自宅でのメンテナンスは2〜3ヶ月に1度、プロ依頼の包丁研ぎは年1〜2回が基本です。
結果的に、頻度が上がるとメンテナンスの時間が取られる上、切りにくい包丁の場合はより調理の時間がかかってしまいます。
包丁研ぎの基本
・・・とは言え、プロに包丁研ぎを依頼したこともなければ、自分で本格的に包丁を研いだこともないという方がいらっしゃるのではないでしょうか。その導入として、包丁研ぎには「研削(けんさく)」、「研磨(けんま)」という工程があることをお話したいと思います。
研削(けんさく)とは?
研削は、回転する砥石の表面にある砥粒によって対象物を削り取ります。
さくさく株式会社” 研磨加工はなぜ重要? 研削との違いや加工の手順を解説” SAKUSAKU.
https://sakusakuec.com/shop/pg/1kenma-kakou/(2024-7-22)
要は、包丁の形を作る作業です。使い方にもよりますが、年に1〜2回すれば大丈夫。主に荒砥石使用。
※砥石の種類は後ほど
研磨(けんま)とは?
研磨は流動する粒子を用いて、対象物の表面を細かく削る加工です。
さくさく株式会社” 研磨加工はなぜ重要? 研削との違いや加工の手順を解説” SAKUSAKU.
https://sakusakuec.com/shop/pg/1kenma-kakou/(2024-7-22)
要は、これは刃先を整える作業で、刃付け、仕上げを行います。使い方にもよりますが、2〜3ヶ月に1回でOK。主に刃付けは中砥石、仕上げは仕上砥石使用。
※砥石の種類は後ほど
研削(けんさく)と研磨(けんま)の違い
①研削(形作り)
↓
②研磨(刃付け)
↓
③研磨(仕上げ)
↓
①研削に戻る
この工程の中で、年1〜2回①研削〜③研磨をプロへ依頼し、
2〜3ヶ月毎に③研磨(仕上げ)のみを自宅で行い良い状態を維持するということになります。
※プロへ依頼するタイミングは、研磨を続けていてもキレが落ちてきたなと感じた時です。
どうでしょう?研削と研磨の違い、お分かりいただけましたでしょうか?
包丁研ぎ(右利き)
研磨と研削の違いがわかったところで、それぞれについて包丁の研ぎ方をご紹介します。今回は、一般的に使用している方が多いであろう「ステンレス」を題材として行ないます。
※鋼材が柔らかいので、砥石の粒子をうつしやすくするため、研磨する前に砥石の表面を削ります(面直しする)
包丁の研ぎ方:研削(形作り)※所要時間約2分
使用している刃物
両刃包丁(ステンレス)
※完璧な両刃ではなく6:4ぐらいの割合
概要
・包丁の形を作る工程。
・45度よりは寝かせて行う。
(90度の半分を目安に調整する)
・流水不要(粗く研ぐため)
・「荒砥石」を使用する。
流水不要な理由
包丁を研ぐと黒く濁った水分が出てきます。この水分には砥石と包丁の金属成分が含まれるため、そのままにしておくとより粗く削れることになります。研削の場合は形作りのため粗く削ってOK。そのため、流水不要なのです。
研ぎ方
1)荒砥石を自分に対して縦に置く。(濡れ雑巾等で固定する)
2)包丁の刃を左に向け、刃先、腹、刃元の順で研ぐ。(片刃約1分)
※約30秒ごとに水で包丁を洗い流す。砥石の水分はそのまま。
3)包丁の刃を右に向け、刃先、腹、刃元の順で研ぐ。(片刃約1分)
※裏返して10秒程度。(両刃包丁だが6:4の偏りあり)
4)砥石を磨く。(面直し)
包丁の研ぎ方:研磨(刃付け)※所要時間約1分
使用している刃物
両刃包丁(ステンレス)
概要
・刃先を整える工程。
・45度はきっちりでなくてもOK。22度を目安に傾ける。
(90度の半分の半分を目安に調整する)
・「中砥石」を使用する。
研ぎ方
1)中砥石を自分に対して縦に置く。(濡れ雑巾等で固定する)
2)包丁の刃を手前に向け、刃先、腹、刃元に向かって力を入れずにすっと3回程度動かす。(右手前→左奥)
3)裏返し、包丁の刃を奥に向け横向きに。刃元、腹、刃先に向かって力を入れずにすっと3回程度動かす。(奥→右手前)
4)刃先を触りかえり(削りかす)の有無を確認する。かえりがある箇所を中心に大きくサッと研ぐ。
5)砥石を磨く。(面直し)
包丁の研ぎ方:研磨(仕上げ)※所要時間約30秒
使用している刃物
両刃包丁(ステンレス)
概要
・刃先をさらに整える工程。
・45度はきっちりでなくてもOK。22度を目安に傾ける。
(90度の半分の半分を目安に調整する)
・ステンレスの場合、天然砥石の泥を多めに出して行う。
・「仕上砥石」を使用する。
研ぎ方
1)仕上砥石を自分に対して縦に置く。(濡れ雑巾等で固定する)
2)包丁の刃を手前に向け、刃先、腹、刃元に向かって力を入れずにすっと3回程度動かす。(右手前→左奥)
3)裏返し、包丁の刃を奥に向け横向きに。刃元、腹、刃先に向かって力を入れずにすっと3回程度動かす。(奥→右手前)
4)刃先を触りかえり(削りかす)の有無を確認する。かえりがある箇所を中心に大きくサッと研ぐ。
5)最後に紙で切れ味を確認する。
シャープナーか?砥石か?
最後に。包丁研ぎの悩みどころであるシャープナーか砥石か、という問題。実は全く別物でした…(汗)。今回は包丁の研ぎ方中心にお話しているので詳しくは次回にということで、簡単にご紹介します。
シャープナーとは
刃先を研ぐのではなく、刃先を荒らし(ノコギリ刃の様になる)、一時的に切れ味を戻す効果があります。ですので、包丁のメンテナンスとしてや、包丁研ぎの代替えにはなりません。
そのため、研ぐ時間がなく、一時的に切れ味を取り戻したい方におすすめのアイテムです。
砥石とは
工程別では荒砥石、中砥石、仕上砥石に分類できます。素材別では天然砥石と人造砥石に大きく分けられます。天然砥石は産地が様々、人造砥石は製法が様々です。
砥石の良さはその種類の多さゆえ、個人の目的に応じて細かい調整が可能だとも言えます。また、刃先全体に当てることができるので包丁自体の形を理想的な形に何度でも仕上げることができます。つまり、包丁を長持ちさせることができるということです。
切れ味の良い状態を長く保ちたい方、包丁を長持ちさせたい方、研ぐ時間を定期的に確保できる方におすすめです。
※硬い方が良く研げ、家庭用であれば1000円も出せば、ある程度のものが購入可能
※砥石について詳しくは、次回♪
シャープナーと砥石の違い
おわかりいただけましたか?手軽なシャープナーは一時的な切れ味復活のために、砥石は細かい調整と長期的ケアのために使用します。上手く使い分けましょう。
包丁研ぎまとめ
「綺麗に老いた包丁は美しい」
「研いでいくとその人が包丁に段々とうつっていくイメージ」
これはBavi精肉職人〔土屋〕の言葉です。
正しい研ぎを繰り返した包丁は、使い込んで良い味を出します。その人その人の好みや使い方が馴染んで、より「あなただけの包丁」が仕上がっていくということを表現しています。
どれだけ、土屋が自身の包丁メンテナンスを重要視しているかわかりますね。同時に、「うわっ!すいません!」と思ってしまいました(笑)。
…そんな方はきっと私だけではないはず…
でも、大丈夫。Baviでは包丁研ぎを郵送でお受けしています。もちろん、このコラムの監修を行った土屋が担当します。興味がある方はぜひ♪
もちろん、「近所の研ぎ屋さんに出してみようかな」「自分で研磨してみようかな」と思ってもらえるきっかけになったら本望です。
ではでは、次回は「おすすめの砥石について」。お楽しみに!
参考情報
月山義高刃物店
TAJIRO
For your LIFE
KAI
SAKUSAKU
SUNCRAFT KITCHEN
なんでもゆたお
監修者紹介
Bavi専属精肉職人:土屋
精肉職人歴17年。某大手スーパー精肉部門を拠点に精肉技術を磨いた。主任兼技術トレーナー。時にホテル、時に寿司屋、時に刃物店…付随する技術は自ら足を運んで修行の毎日。セルコグループ精肉部門技術コンテストにて堂々の日本一獲得。特技は体操。趣味はバイク・車・料理。
▼プロフィール詳細▼
https://bavi.jp/contents/bavi-meat/
チームBaviはバーベキューのプロ集団。10年以上続く出張BBQサービスの経験を活かして、信頼できる情報をお届けします! 出張BBQのご用命はコチラ▶▶▶【Bavi(手軽にBBQ.com)】https://www.gpc-bbq.com/